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会津若松市内に住む主婦が、歴史をイチから勉強しながら書いています。
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会津若松と言えば、白虎隊を連想する人も多いのでは??
白虎隊自刃(じじん)の地、飯盛山(いいもりやま)にある、『白虎隊記念館』に初めて行ってきました!
訪れた方のレビューをみると、
・入館料400円は高すぎる
・見せ方がひどい
・すべてが古い
など、ネガティブなものばかりが目につくこちらの施設。
実際はどうなのでしょうか??
もくじ
白虎隊記念館とは?
白虎隊記念館ホームページによれば
ご挨拶「白虎隊記念館」は昭和31年4月22日に、会津若松出身の弁護士であった故・早川喜代次(はやかわ・きよじ 1903~1999)によって創立されました。戊辰戦争における、「白虎隊」をはじめとする会津藩の悲劇を後世に伝えたいという思いから、私財を投じて作られました。
しかし、まもなく水害に遭い建物は倒壊。途方に暮れていたところ、全国の皆様から多大なるご支援を賜り、当館は再建されました。その後も皆様から貴重な史料の数々のご寄贈やご支援を賜り、昭和59年には鉄筋コンクリート造り2階建ての建物に改築され、現在に至っています。
(中略)
地元の方にも誤解されがちですが、当館は個人が創立し、後を引き継いだ民間人達で細々と運営している小さな史料館です。若松市内の大型観光施設のように、行政や地元の有力企業がバックについているわけではありませんので、運営資金は限られていますし、この業界は弱肉強食の世界ですから、同業者から模倣されたり、嫌がらせを受けることもあります。
(中略)
なにぶん、東日本大震災・原発事故を境に入館者が半減しており、大幅な赤字決算が続いているため、皆様のご要望にお応えできない点が多々あるかと思いますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
とのこと。(途中の太字はわたしが勝手に強調したものです)
こちらは、民間が経営する私設の資料館です。
白虎隊記念館への行き方
白虎隊記念館の場所は、こちら。
白虎隊の自刃の地で有名な、飯盛山の参道左手にあります。
飯盛山の参道までは、会津若松駅または七日町駅から、まちなか周遊バス(あかべえ・はいからさん)が便利です。
バス停「飯盛山下」で降りてすぐです。
こちらが飯盛山の参道。
長い上り坂になっています。
途中から上までは、動く坂道(スロープコンベア・有料)があります。
このスロープの入口付近まで、歩いて上がります。
左手に見えてくるのが、白虎隊記念館。
蔵をイメージしたような、ちょっと雰囲気のある(かなり年季の入った)たてものです。
白虎隊記念館の営業時間・駐車場・料金は?
白虎隊記念館の詳細情報はこちらです。
施設名 | 白虎隊記念館(資料館) |
---|---|
所在地 |
〒965-0003 福島県会津若松市一箕町八幡弁天下33 |
アクセス・駐車場 |
まちなか周遊バス「飯盛山下」下車、徒歩2分 専用駐車場から徒歩5分 |
TEL | 0242-24-9170 |
入館料 |
大人400円、高校生300円、小中学生200円 団体(25名以上)・高速利用者20%割引 学校行事は少数でも団体料金を適用 |
営業時間 | 無休・8:30~17:00(12月~3月は9:00~16:00) |
近くに無料の専用駐車場(30台)があります。
こちらの観光駐車場の隣です。
これらの他にも、飯盛山参道に近いお土産屋さんのほとんどが、駐車場を無料で開放しています。
ただし、観光シーズンになるとこの辺のお土産屋さんで車の呼び込みがあります。
お客さんの取り合いのように「こっちに停めろ」のジェスチャーが激しく、駐車場に入ると「帰りに買い物していけ」のプレッシャーが強いので、観光の方にも地元民にも非常に不評です。
トラブルを防ぐためにも、観光駐車場か、無人で解放してくださっているお店をご利用くださいね。
白虎隊記念館に行ってみた!
白虎隊記念館に行ってみました!
実は、前の日に、ちかくにある白虎隊伝承史学館(びゃっこたいでんしょうしがくかん)を訪れました。
その時の様子はこちら。

白虎隊記念館も近いうちに行ってみよう!と思っていたところで、『絵ろうそくまつり』にあわせて、参道に絵ろうそくが設置されるということを知って、早速出掛けてきました。
この日も、飯盛山の参道からいちばん近い會津とらぞう(今は閉店しています)さんの駐車場をお借りしました。
参道の入口でもある、とらぞうさんの店の目の前には、雪像の「ぽち」が。
参道の上り坂をのぼっていくのですが、途中にある階段は高さがあり、小さな子供が上るのは少したいへんそう。
絵ろうそくが飾れるように、道の横の雪の壁に穴が掘ってありました。
(日中は、絵ろうそくは入っていませんでした)
しばらく進むと、左手に白虎隊記念館の文字が見えてきました。
なるほど、なかなか年季が入っています。
手前には、白虎隊士の悲劇で有名な集団自決の唯一の生き残り、飯沼貞吉さんの看板が。
飯沼貞吉さんは、戊辰戦争後、一度みんなと猪苗代に移されてから、一度もこの会津の地に戻ってくることはありませんでした。
お墓は晩年まで住んでいた仙台にあります。
しかし、他の白虎隊士と同じ地にも埋葬したいという声に応えて、生前本人が用意していた毛髪と歯がおさめられたお墓が、ここ飯盛山にもあります。
その看板の向かいには、白虎隊士と犬の銅像(詳細は後述します)
そして白虎隊記念館の展示物についての看板。
なんと、12,000点も展示されているとのこと!!
その隣には、会津藩と共に戦った藩士たちをなぐさめるための石碑が立っていました。
水戸藩諸生党とありますが、諸生党とは、
水戸藩の保守・門閥派。幕末に家老市川三左衛門らを中心に、藩内で改革派・天狗党と激しい抗争を繰り広げた。諸生派とも。当時水戸城三ノ丸にあった藩校、弘道館の諸生(書生)が多かったためこの名がある。
引用:ウィキペディア
とのこと。水戸藩の中でも、新政府軍と敵対した勢力、つまり会津藩と運命を共にした勢力です。
そして、白虎隊士2人が遠くをながめている銅像。
火の海に包まれた鶴ヶ城をのぞんでいるところでしょうか。
そしてこちらが白虎隊記念館の正面です。
少しわかりにくいですが、右手の小窓が受付窓口、左手のドアが入口です。
窓口で入館料400円を支払い、パンフレットを受け取って館内へ。
小学生未満は無料なので、わが家の1歳と4歳の子供たちはお金がかかりませんでした。
館内は、撮影禁止。
創設者から引き継いだ貴重な資料ということもありますから、仕方がないですね。
手書きの解釈が添えられていますので、部分だけ切り取って引用されるのも心配ですしね。
窓口のおとうさん曰く、先にアニメ『白虎隊ものがたり』を見てから回るのがオススメとのこと。
まずは、アニメが上映されているという二階へ上がります。
階段ののぼり口には、新選組、土方歳三の胸像が。
写真引用:ウィキペディア
二階へ上がると、部屋の真ん中に、昭和な雰囲気満点のブラウン管テレビ(32インチくらい)。
その前に椅子が5列ほど並べられていました。
画面が小さくて、最前列でないと見るのはほぼ不可能なのに、椅子が明らかに多すぎて笑えます。
既に最前列に先客がありましたが、私たちに気づいて左に少しずれてくださいました。
おかげさまで、私たちも最前列に並んで、アニメを見ることが出来ました!
約10分間の、かなり昭和仕立てのアニメ『白虎隊ものがたり』が、繰り返し再生されていました。
私たちが見始めたのは、集団自決をした白虎隊士中二番隊(しちゅうにばんたい)が、日向隊長と離れるシーンから。
日向隊長は、おじさん(40代)です。
テレビの横には、『白虎隊の悲劇については諸説ありますが、このアニメは最も広く知られている説に沿って作られています』と言った旨の手書きの但し書きがはりつけてありました。
戸ノ口原で戦い敗れて退却した白虎隊士が燃えさかる城を見て自決する、というストーリーでした。
よく聞いていた話でしたが、実際映像で見ると、イメージがしっかりわきますね。
アニメをひと通り見てから、二階の展示品を見学しました。
会津藩松平家の茶つぼや、薬湯箱、葵紋(あおいもん・松平家の家紋)の髪たらい、飯びつなどの生活用品、そして刀剣や松平家の弾薬箱なども多数飾ってありました。
特に多く感じたのが、絵や書の掛け軸です。
松平容保公の歌や、娘子隊(じょうしたい)中野竹子さんの額字なども飾られていました。
中野竹子さんと言えば、八重の桜で黒木メイサさんが演じた薙刀の名人。
会津まつりでも凛々しい姿が人気です。
娘子隊を率いる中野竹子。凛々しい! #会津まつり #八重の桜 pic.twitter.com/4E55oygLgM
— 左近 – 戊辰150周年 (@21sakon) 2013年9月23日
有名な白虎隊自刃の図もありましたが、特に会津藩が行っていた会津大野ヶ原追鳥狩(おいとりがり)の大きな屏風絵はすごい迫力でした。
描いたのは大須賀清光さんで、福島県立博物館で2016年に企画展示がされている有名な方でした。
また、映画バルトの楽園の主人公のモデルとなった会津の偉人松江豊寿さんの特集もありました。

画像引用:ウィキペディア
印象に残ったのは、初めてみた松平容保公晩年の肖像画。
それと、12歳で篭城し、その後戊辰戦争当時の様子の絵を描いた画家・佐野石峰を始めとして、当時の様子を生で見た画家の絵は心に迫るものがありました。
一階には、娘子隊の特集などがありました。
子供が飽きて外に出てしまったので、一階はちらっとしか見られませんでしたが、二階の半分もなかったように思います。
白虎隊記念館の所要時間は?
今回の滞在時間は、子供たちにせかされながらひと通りみて、20分強でした。
案内された通りに最初に二階に上がって10分間のアニメを見たので、見学は10分ほど、それもほとんどが二階の見学でした。
一階の展示もすべて見るには、少なくとも25分は見る必要があると思います。
じっくり見るなら、最低でも30分、歴史好きな方なら、1時間はつぶせる充実ぶりです。
小さなお子様連れでも、アニメがあるので、なんとかごまかしながら見学できるかなと思います。
感想・入館料は高すぎる??
事前に見ていた、訪れた方のレビュー
・400円は高すぎる
・見せ方がひどい
・すべてが古い
などについて、行ってみての正直な感想ですが。。。
たしかに、そう思われる方もいるでしょうね(笑)
会津若松市内の観光スポットでいうと、たとえば鶴ヶ城(つるがじょう)。
天守閣(てんしゅかく)内の展示は、明るく、割とおしゃれなパネル展示がされています。
実はひと昔前は、相当ダサかったのですが、近年かなり今風になってきました。
一方でこちらの白虎隊記念館。
資料は充実しているのに、正直もう昭和の匂いしかしません!!
見せ方が残念!という声があるのも納得です。
でも、公設の資料館にはない、市民自らの想いがたっぷり詰まった、こだわりの場所だと感じました。
鶴ヶ城は、わたしたち会津若松市民の税金で運営されています。
一方で、こちらは民間が、入館料だけでやりくりしている資料館。
これだけの所蔵品があり、雪深い会津で年中無休で運営されているんです。
一つ一つの資料をじっくりと見る分には、入館料400円は、十分妥当と思いました^^
逆に、純粋に資料を見るのではなく、単なる観光スポットとしてレビューをされる方には、全くオススメできません!
白虎隊士:酒井峰治と愛犬クマの銅像
白虎隊記念館の右手には、少年と犬の銅像があります。
看板には、以下のように書かれています。
戸ノ口原の生存白虎隊士二十二人の一人酒井峰治が、
鶴ヶ城に入場するために一人山間を退却中
愛犬クマが飯盛山の裏手に出迎えた時の銅像です。
実はこの銅像は、平成5年になって発見された酒井峰治さんご本人の手記戊辰戦争実録談に基づいて作られたものです。
酒井峰治は、戸ノ口原から鶴ヶ城を目指して退却する際に、他の仲間と分かれてしまいます。
道に迷っているところを農家に道案内をしてもらいながらお城に向かっていた時のこと。
鶴ヶ城はもう陥落してしまったかも知れない、と頭をよぎり、敵につかまるくらいなら自決しよう、と心に決めました。
いよいよ自決しようとしていたところを、村人に「はやまらないで!」と止められます。
そのまま農民の姿に扮装させてもらい、同じように農民に扮した白虎隊士、伊藤又八と合流することが出来ました。
そして2人で鶴ヶ城を目指そうとしていたところで、愛犬クマに出会うのでした。
名前を呼ぶと喜んで一目散に飛びついて来て、酒井峰治も思わず涙したそうです。
手記中には、実際このように書かれています。
松茸山ニ入リテ相倶ニ其小屋ニ憩フ時
余ノ傍ヲ過クルアリ
能ク顧ミレバ豫而始終牽キ連レ行ク 愛犬「クマ」ナリ
則チ聲ヲ挙ゲテ其名ヲ呼ベバ
停テ余ノ面ヲ仰ギ視ル ヤ疾駆シ来リテ飛付キ歓喜ニ堪エザルノ状アリ
余モ又悵然トシテ涙ナキ能ハズ
其頭ヲ撫 シテ曰ク愛狗能ク何ヲ以テ是ニ至ルト
こちらの銅像は、その瞬間を再現したものなのです。
酒井峰治さんは、この後、激しい篭城戦が繰り広げられている鶴ヶ城に入りました。
そして80歳まで生きてこの手記を残したのでした。
白虎隊士に共通していることとして、生前は多くを語っていない点があります。
この話も、平成になって初めて明らかになったもの。
白虎隊の悲劇がひたすら美談として語られる中、本人たちの生涯背負った荷は相当おもかったのだろうと想像します。
この手記は、白虎隊記念館に所蔵されています!!
白虎隊記念館のお土産にオススメ『あわまんじゅう』
飯盛山のお土産のイチオシはズバリ、粟まんじゅう!
栗(くり)まんじゅうじゃないですよ、あわまんじゅうです♪
柳津町と言う、会津若松市から40分ほどのところにある温泉町の名物です。
柳津町でも指折りの人気店小池屋本舗のあわまんじゅうが、飯盛山参道で出張販売をしているのです!
一個から求めることが出来ますよ♪
雑穀のアワと、砕いたモチ米をあわせたモチモチの皮の中に、やわらかなこしあんが入っています!
実演販売をしていますから、何と言っても、出来立てアツアツをいただくのがオススメ!!
登って降りてくるうちに、売り切れてしまうこともありますし、タイミングによっては非常に混み合いますので、先に注文をして置くと良いですよ♪
冬季の飯森山参拝について
雪深い会津ですから、冬の間も参拝が出来るのか心配ですよね。
冬の間も、基本的には除雪されているので、参拝が可能になっています。
ただ、途中の急な階段からは除雪はされておらず、侵入禁止に。
そこで大活躍するのが、動く坂道・スロープコンベア。
ゆっくり動くので、お子様やご年配の方でも安心です。
ただ、ベビーカーや車いすでそのまま上ることは出来ません。
ここで、注意しなければならないことが。
行きは、こちらのスロープコンベアで登れますが、帰りは、自分の足で降りてくる必要があるのです。
こちらが飯盛山の案内図。
右手のスロープコンベアで上がって、白虎隊士のお墓に参りしたら、左に回って、さざえ堂の前を通り、白虎隊記念館の前に降りてくるのが順路です。
ルートは、スロープコンベアのチケット売り場でも確認できます。心配な方は、窓口でお問い合わせくださいね。
この日も、中には登って降りてくる方もありましたが、窓口で確認して、断念される方もいらっしゃいました。
体力的な問題もそうですが、いちばんは足元。
地元の人が履くような、雪国用の長靴やブーツであれば、まったく問題ありません。
ですが、革靴やスニーカーではすべりますし、雪がとけた頃では、お墓の地面は泥でぐちゃぐちゃになっている場合があり、非常に汚れますので、オススメは出来ません。
長靴をオススメしたいところですが、雪国仕様でない長靴は、雪道にめちゃめちゃ弱い(滑る!)ため、一概に言えないんです。
地面の状態と、自分の靴の具合をみて判断してくださいね!!
まとめ
白虎隊記念館に初めて行ってみた内容をまとめました!
確かに昭和の匂いしかしない、見せ方もかなり古い雰囲気の資料館でした。
ですがその分、一つ一つの資料をじっくりと見ることが出来る、貴重な場所と感じました!
白虎隊記念館の特徴としては、最初に白虎隊に関するアニメの上映があること。
これによって基礎知識を得てからの見学となるため、理解がしやすくなっています。
白虎隊・会津の歴史に対する、運営者の熱い想いがこめられています。
一つ一つの展示をじっくりと見て、手書きの解説を読めば、歴史ファンなら、いや、まだファンではないあなたでも、きっと何か感じるものがあるはずです。
私設でがんばっている資料館を応援する意味でも、飯盛山を訪れる方には、ぜひあわせて訪れて頂きたい場所です。
旧参道にある『白虎隊伝承史学館』については、こちらの記事をどうぞ。

こちらで紹介した白虎隊記念館よりはかなり規模が小さいですが、また違った視点で当時を見ることが出来ますよ。