藩公行列の馬はどこから来る?地元民が教える隠れた見どころとは!

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会津まつり藩公行列を見ていると、ふとわいてくる素朴な疑問。

・・・このお馬さんたちって、一体どこからやってくるんだろ??

まさか、馬刺しにされるお馬さんではないよね??

というわけで、今回は藩公行列に登場する馬たちのお話です。

会津と言えば馬刺し

会津、馬とくれば、馬刺し(ばさし)を連想される方もいらっしゃるのでは?

そう、会津、特に会津若松市のお隣会津坂下町(あいづばんげまち)では、馬肉(ばにく)が名物。
会津若松市内の居酒屋などでも、馬刺しを出すお店がかなりあります。

会津坂下町にふるさと納税をすると、返礼品として馬肉がもらえるのですよ!!

参考 会津坂下町のお礼の品情報ふるさとチョイス

馬たちはどこから来る?

さて、食肉としてのお馬さんの話をした後に藩公行列の馬の話をするのもなかなか複雑な気持ちですが、話を本題に戻します。

まさか食肉にされるお馬さん達が藩公行列に登場するはずもなく、かといって、会津で食べられてしまう以外の馬がいるのはあまり見ない。
お馬さんたちは、一体どこからやってくるのでしょうか??

パターン1:他地区からの応援

やはり、会津のお馬さんだけでは足りない!ということで、福島県の相馬市、そして神奈川県からやってくるんだとか。
相馬は伝統行事の『相馬野馬追(そうま のまおい)』が有名ですが、どうやらその野馬追のお馬さんのようです。

こちらが相馬野馬追の様子。
いや~恥ずかしながら名前しか知らないかったのですが、想像をはるかに絶する壮大な行事だったのですね!!!

パターン2:會津藩校 日新館から

残りのお馬さんは、藩公行列が行われる会津若松市中心部から10㎞ほど離れた場所にある會津藩校(あいづはんこう)日新館(にっしんかん)からやってきます。
日新館は会津藩士が文武両道を学んだ学舎として有名です。
(実際の日新館は戊辰戦争で焼失し、今あるのは別の場所に復元されたものです。)

日新館にいる馬の数はなんと、17頭!!
そんなにいたなんて、全然知りませんでした!!

実は日新館内には「会津武士道」という会社があり、映画やドラマ撮影用のお馬さんとして、撮影専用馬としての調教が行われているのです!!
2006年に、俳優で映画監督・映画プロデューサーなど幅広く活動されている千葉真一さんが作られた会社です。

「くるーま売るなら、ティーアップ♪」でお馴染みのトヨタのCMに優香さんの「愛車(?)」として出演していたのもなんと、日新館のお馬さんなんだとか~!(結構印象的だったあのCM、覚えていますか?!)

※写真は会津武士道ホームページよりお借りしました。

すぐ近くにそんな優秀なお馬さん達がいたとは、驚きです。

移動も短距離ですみますから、お馬さん達にかかるストレスも最小限ですんでいるということでしょうか??

会津武士道のホームページでは、なんとお馬さんのプロフィールを紹介しています!!
藩公行列を見ていて気になるお馬さんが居たら、こちらのプロフィールをチェックしてみるのも楽しいかも!!

【2022年9月20日追記】
会津武士道のホームページがなくなっています。
千葉真一さんが昨年8月に亡くなられたり、今年5月に日新館の経営者が変わられたりしているので、お馬さんについても変わっているかも知れません。。。(追記ここまで)

日新館には、白虎隊を代表とする会津藩士が学んだ当時の様子が再現された展示や、弓道、茶道、座禅の体験、会津の赤べこの絵付け体験なども行えて、小さなお子様はもちろん、大人も楽しめます。

歴史アレルギーで、体を動かすのが好きな私としては、鶴ヶ城天守閣内のありがたい展示を見て回るより、広い敷地で体験を交えながら学べるスタイルの方が性に合っているようで、個人的には日新館は会津のイチオシ観光スポットです。

施設名 會津藩校日新館
所在地 〒969-3441
福島県会津若松市河東町南高野高塚山10
TEL 0242-75-2525
ホームページ http://www.nisshinkan.jp/

 
ちなみに日新館には、当時を再現した馬を泳がせるためのプールもあったはず。
日新館を見学に行ったときに、確かそんなことを聞きました。
(現在もその用途で使われているのかどうかは、わかりません)

殿様は落馬の危険と隣り合わせ

藩公行列で、落馬する危険性はないのでしょうか??

実は藩公行列で馬から落馬する方は少なくありません。
感覚的に言うと、2~3年に1人は落ちている感じです。
(馬から誰かが落ちる!というのはかなり衝撃的なことなので、印象に残っているだけで実際はそこまで多くないかも)

乗馬経験のない方も多く、藩公行列で初めて馬に乗り、片道2時間近くの道のりを歩くことになるわけなので、落ちてしまうこともまああるのかなと思います。

馬の口取りは誰が?

その一方で、馬の手綱を引きながら一緒に歩いている若者たちはかなり馬の扱いになれているように見えます。

甲冑を着て”馬の口取り”の役目をする彼らは、一体だれなのでしょうか??

ある確かな筋からの情報としてあったのが、「相馬の高校生、たしか馬術部」。
調べてみると、相馬で馬術部があるのは相馬農業高校だけだったので、おそらく相馬農業高校馬術部の学生だと思われます。

ちょっとマニアックな見どころ紹介

藩公行列は500人もの人が列になって歩いていて、コース内の道幅もまちまち。
途中演舞が入ったり、「えい、えい、おー」の勝どき(かちどき)が上がったりするので、隊列が停滞することもしばしば。

「ただじっと止まっている」ということがストレスになるお馬さんも多いそうです。
そこで、列が停滞して進まなくなると、手綱を持った口取り役がお馬さんをその場でぐるぐる回します。
必然的に威厳ある武将に扮した乗馬役もひたすらグルグル回されることになります。

お馬さんに乗っているのは役柄だけでなく、実生活の中でも団体のいちばん偉い人だったりもするので、そんな偉い人がグルグルの最中に見せる顔を観察するのが個人的に結構好きです。(こうして書くと、我ながら悪趣味ですね(;’∀’))

また、長い道のりを歩く中で、お馬さんは必ず大きな”落とし物”(つまり、ウ●チ)をします。
それをせっせと片づける特別部隊がいたり、ワラジを履いた人たちがかなり慎重によけたりしているのも、隠れた見どころかと^^

恐らくこの”落とし物”に一番悩まされるのが、朱雀隊(すざくたい)・青龍隊(せいりゅうたい)で大砲を引く大砲隊

4人一組で重い大砲を引いていくわけですが、このかじ取りが結構大変で、”落とし物”をよけるのにかなり巧みな操縦テクニックが求められるのだとか。

機会があればぜひ、このあたりにもご注目下さいね!

まとめ

藩公行列に登場するお馬さん達についてまとめてみました!

会津藩士が学んだ日新館に映画に出演するお馬さん達が居たとは驚きです~。

因みに毎年ゆかりの土地からの特別枠で参加されている横須賀開国甲冑隊の選任カメラマンは、”落とし物”にまたがり腰を落として、あたかも自分が”落とした”かのようなポーズを取り、観客の笑いを取っていました。
長年の経験の中で培ったテッパンの芸なんだろうな~。

あ、彼らはゆかりの土地からのゲストという、とくべつな立場です。
彼らがやるから、あたたかい目で見守ってもらえている、ということがあるかも知れません。
我々会津若松市民が同じ行動をとると、「まつりを軽んじている!」というバッシングを受けかねません。
くれぐれも、安易にマネなさらないよう、お気をつけください(笑)

馬と馬にまつわるエピソードだけでこんなに沢山のドラマがある会津藩公行列!!
(大半、”落とし物”の件のような気もしますが)

こんな色々な楽しみがある会津まつり藩公行列、機会があればご覧になってくださいね。
その際にはぜひ、お馬さんたちにも注目してみて下さい。
きっと新たな楽しみが見つけられるはずですから~♪

2022年版!会津まつり日程と見どころを紹介♪
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