起き上がり小法師(おきあがりこぼし)と言えば、倒してもすぐ起き上がる、七転び八起きの縁起物として愛されている会津の伝統工芸品。
会津人しか知らないおきあがり小法師の選び方や購入方法、縁結びや受験のお守りにオススメの起き上がり小法師などなど、起き上がり小法師についての豆情報をまとめました!
もくじ
おきあがり小法師とは?その由来は?
倒してもすぐ起き上がる、七転び八起きの縁起物として有名な会津の伝統工芸品。
会津の工芸品と言えば張り子で出来た『赤べこ』を連想される方もいらっしゃるかと思いますが、実はその赤べこより歴史は古く、今をさかのぼること実に400年も昔、当時の会津領主蒲生氏郷公が正月に作らせたのが始まりと言われています。
蒲生氏郷公は、会津人なら誰もが認める会津の偉人。
会津の象徴である鶴ヶ城、城下町、そして茶道。
その全てを作ったのは蒲生氏郷公であり、蒲生氏郷公なくして今の会津はあり得なかったと言っても全く過言ではないのです。
おっと、思わず脱線しました。起き上がり小法師の話に戻します^^
起き上がり小法師も赤べこと同じく張り子で出来ていますが、高さ3cmほどと小さく、張り子の中が空洞になっている赤べこと違って中に粘土が詰めてあるのが特徴。
表面には合成うるし等の塗料で絵付けがしてある、とてもめんこい※民芸品です。
※めんこい、というのは会津弁で”かわいい”のことなのですが、特に赤ちゃんや子供、小さいものに対して使います。
起き上がり小法師は歴史がとても長いのに、現代においても手放しで”めんこい”!
これって結構すごいことですよね~?!
起き上がり小法師の役割とは?
会津では、毎年初市(はついち=会津若松市の場合は1月10日に開催される十日市(とおかいち))に、各家庭必ず家族の人数+1個の起き上がり小法師を求めます。
家族の人数より一つ多く買うのは、家族や財産が増えるように、という願掛けと、無病息災、家内安全のための身代わり的な意味合いからです。
一年間神棚などに飾り(お供えし)、一年が終わると小正月に行われる”歳の神”(さいのかみ、他の地域で言う“どんど焼き”)で焚き上げます。
会津の人にとって起き上がり小法師はいわば”お守り”のようなものなのです。
だるまとおきあがりこぼしの違いは?
全国的にみると、一般的にお正月に買う縁起物と言えば、だるまですよね。
倒しても起き上がる形、「七転八起」という意味合いも同じです。
ということは、会津では起き上がり小法師がだるまの代わりとして売られているってことかな?
と思われる方もいらっしゃるかも知れませんね。
ところが、そうではないんです。
会津の十日市でもだるまは売られており、毎年購入する家庭もあります。
だるまの代わりに起き上がりこぼしがあるわけではないのですね。
では、どのように違うかというと、起き上がり小法師は家族が元気で幸せに過ごすために買われ、だるまはそれ以外の願い事のための願掛けの意味で買われるようです。
具体的に割合を示せませんが、県外出身者の私の目から見ると、だるまを購入する家庭の比率は他より低いかな~というのが印象です。
【動画あり】起き上がり小法師のちょっとびっくりな選び方
さて、会津人が起き上がり小法師を一体どのように選ぶかご存知ですか??
会津出身ではない私は、初めて十日市(とおかいち)でその選び方を見て、感動すら覚えました。(今から20年ほど前のことですが、今も当時も変わっていませんし、ずーっと昔から引き継がれている方法のようです)
そのちょっとびっくりな方法をご紹介します。
- 売り物の山から起き上がり小法師を片手でごぞっと掴む
- 掴んだ起き上がり小法師を、お盆の上にごろごろっと転がす
- 起き上がったものから好きなものを選ぶ
こちらが実際十日市で撮影した映像です。
売り物をわし掴みにして転がす、一見ちょっと乱暴な方法ですが、起き上がり小法師を選ぶ目はみんな真剣そのもの。
縁と直感で選ばれた起き上がり小法師は、家族みんなが幸せであるよう、一年間神棚から見守り続けてくれるに違いありません。
会津の人にとって起き上がり小法師がいかに重要な意味を持つものか、お分かりいただけたでしょうか?
起き上がり小法師の買い方で確認したいポイント!
さあ、地元の人の選び方が分かったところで!
七転び八起きのなんとも縁起の良い起き上がり小法師、家にも置いてみたいな、と思いませんか??
会津と言えば赤べこか起き上がり小法師!と言っても過言ではない、会津を代表する伝統工芸品で、赤べこより遥かに手ごろで持ち運びも簡単。
せっかく会津に来たら、起き上がり小法師は必ずお土産に買って帰りたいところ。
でも、どんなのを選べば良いの?
そんなの買って帰っても、うち神棚ないし。。。
しかも、1年で処分しなきゃいけないんでしょ?
そんな心配もありますよね。
では、お土産として起き上がり小法師を買う時に気を付けたいポイントを見ていきましょう!
会津人が買う場合の決まり事をおさらいすると
- 家族の人数+1個買う
- 1年間神棚に置く
でしたね。それぞれ、確認してみましょう。
まず、数について。
会津では家族の人数より一つ多く買うのが決まりごと。
子供の頃何気に一つだけ買って帰って、縁起が悪い!とばあちゃんにめっちゃ怒られた、という話を知人から聞いたこともあります。
一つだけ、あるいは、好きな数だけ購入することは、やっぱりタブーなのかな。。。と心配ですよね。
元来起き上がり小法師は赤い腹帯のものしかなく、会津の人間が年始に買うのも、普通はこの昔ながらの赤い腹帯の起き上がり小法師。しかし、最近になって、お土産やプレゼントなどにも使いたいというニーズに応える形で、バリエーション豊かになってきているんです。
つまり、今はそもそもお土産やプレゼント用に作られた起き上がり小法師が売られていますので、好きな数だけ買っても縁起が悪い!なんてことはありません^^
次に、飾る期間と場所ですが、同じ理由で、一年に限らず、飾り物として長く飾るのも問題ありません。
実際地元会津でも、伝統的な意味合いとしての起き上がり小法師の他に、飾り物として楽しむための小法師を求める家庭も少なくありません。
そして、あくまで飾り物として楽しむものですから、飾るのは神棚でなくても大丈夫。
飾り棚や、玄関先、勉強する机の上に置いておいて、ちょっと煮詰まった時に転がして気分転換をする、なんていうのもOKなんです。
安心して、お土産やプレゼントにしてくださいね♪
起き上がり小法師は、どこで購入できる??
では、実際どうやって購入すればよいのでしょうか??
会津で買う
会津に仕事や観光に来られるのであれば、駅のお土産コーナーや、会津管内のスーパーマーケットや一部のコンビニ、駄菓子屋などで、年中購入出来ます。
たいていは個包装されることなくカゴに入れてありますので、好みのものを1つから購入出来ますよ。
1つあたりの価格にはばらつきがありますが、スタンダードな赤い腹帯の小さいサイズは安いもので60円、高くて120円くらいです。デザインが異なるものや、大きさが大きいものは、200円~が一般的です。
起き上がり小法師は、作っている工房(職人)さんによって質感や表情が随分違っていますので、ぜひお気に入りを見つけてみて下さいね。
そして選ぶときはぜひ、会津人のやり方に倣って、実際に転がしてみて、早く・元気に起き上がったもの、表情が気に入ったもの、などを直観で選んでくださいね!!
インターネット通販で買う
縁起物の起き上がり小法師をインターネット通販で買う事は出来るのでしょうか??
はい、出来ます!
会津に行くことが出来ない、今すぐほしい!、買い忘れちゃった!!という方は通販がオススメ。
起き上がり小法師はとても小さくて軽いですから、メール便やクリックポスト対応のお店も多く、送料がさほどかからないので安心ですね。
会津の起き上がり小法師オススメ5選
さあ、起き上がり小法師の買い方が分かったところで、お土産やプレゼントにオススメしたい起き上がり小法師をケース別にご紹介します!
縁結びのお守りにするなら!
起き上がり小法師には、家族の人数+1個買って“家族が増えますように”という意味も込められていると書きましたよね。
これはつまり、縁結びのお守りとして使えるということです!!
私の親友は、一度うまく行かなくなって別れた彼と自分をイメージした起き上がり小法師を買って飾っていたところ、その後すぐに復縁、その年の年末にはなんと、見事に入籍したのです! (※実話です)
本人も、その効果にびっくり仰天。
その後二人は、何度かの衝突を乗り越えながらも二人の子宝に恵まれて幸せに暮らしています。
転んでもまた起き上がるということで、まだお相手が居ない方はもちろん、よりを戻したい、再婚したい!という方に特にオススメです。
意中の彼(彼女)が居る方は、ぜひそのお相手と、自分のことをイメージして二つ揃えて買って下さいね。
実はその時買ったのが、こちら。
彼女は、赤い腹帯の方を自分、青い腹帯の方を彼に見立てて選んだそうです。
※画像は「障害のある人たちが働く「作業所」のショッピングモールTOMO市」からお借りしました。
写真では通常のサイズが映っていなくて分かりにくいのですが、実はこれは通常の2倍ほどの大きさで高さ7㎝ほどあります。
良いご縁がありますように💛
起き上がり小法師中サイズ赤・青セット【障害のある人たちが働く「作業所」のショッピングモールTOMO市】を見てみる
子宝祈願のお守りにするなら!
同じ理由で、起き上がり小法師は子宝祈願のお守りとして最適なんです。
子授けのお守りをつけて歩くのって、ちょっと抵抗がある方もいますよね。
その点起き上がり小法師は、家に飾っておくものなので、不特定多数の人の目にさらされることもなく、堂々と祈願することが出来ます。
そして、起き上がり小法師は単なる飾り物として飾れるものですから、そろそろ孫の顔が見たいな~というご両親から、本人たちにそのことを知らせることなく、プレゼントすることも可能なんです。
“子供はまだか”のプレッシャーほどきついものはありませんから、露骨に子宝祈願のお守りを渡されるのと、“会津のお土産よ♪良かったらどこかに飾ってね!”という軽い感じでプレゼントされるのと、どちらが良いかは、、、明らかですよね^^
会津の子供たちは、皆起き上がり小法師のご利益で生まれてきていますから、ご利益はお墨付きです。
子宝祈願には、先の大きめサイズの2個に通常サイズ、さらに会津のもう一つ縁起物赤べこがセットになったこちらがオススメです。
※画像は「障害のある人たちが働く「作業所」のショッピングモールTOMO市」からお借りしました。
会津民芸品セット【障害のある人たちが働く「作業所」のショッピングモールTOMO市】を見てみる
合格祈願のお守りにするなら!
起き上がり小法師には、だるま同様「必勝祈願」「合格祈願」の意味合いもあり、特に受験のお守りとしてオススメです。
受験の前には、様々な壁があります。
全て上手く事が運ぶことは、ごくごく稀ですし、実はそれはアンラッキーとも言えます。
というのも、模試に失敗した、センター試験に失敗した、、、その失敗を乗り越えて自分の経験として積むことが、何よりの強みになり、受験成功への道につながって行くからです。
そこに何が必要かと言えば、、、七転び八起きの精神そのもの!!
勉強机の上に置き、煮詰まったら転がして、、、小さな体で何度でも起き上がる姿を潜在意識に刷り込んでいくことによって、ちょっとの失敗は恐れることがなくなっていきます。
「必勝祈願」と書かれただるまを目の前にしてプレッシャーに打ち勝っていける子もいますが、逆にプレッシャーを重く感じてしまう子もいますよね。
応援したい受験生が後者なら、ぜひ七転八起の愛らしい起き上がり小法師をさりげなくプレゼントしてあげてくださいね。
合格祈願のお守りにオススメなのはこちら。
ぜひ、ご本人の好きな色やラッキーカラーで選んであげて下さいね!
※画像はショップかでるさんからお借りしました。
ショップかでるさんでは、他にもびっくりなミニサイズの”めんこい小法師”や”干支小法師”など、見ているだけで楽しくなるユニークな起き上がり小法師に出会えますよ。
家の守り神にするなら!
山田民芸工房さんの火の神・水の神です。
その名の通り、火の守り神・水の守り神として、水の害、火の害から家を守ってくれます。
水の神は水場、台所や、トイレなど、火の神は火の元にちょこんと置きます。
火の神・水の神については、通常の起き上がり小法師と同じように1年間で交換するのがオススメですが、ご自身が気にならなければ長く置いても大丈夫。
ただ、神様ですから、処分する際はゴミに出したりせず、お札やだるまさんと同じように、神社やどんど焼きに持参するなどして処分してくださいね。
ご両親に送るなら!
無病息災のお守りですから、健康面が少し心配になってきたご両親へプレゼントすれば、ご両親のお体を気遣う気持ちや日ごろの感謝の気持ちがきっと伝わりますよ。
もちろん、「いつもありがとう」の言葉が添えられれば最高です^^
その場合はやはり定番の赤い腹帯の普通サイズの起き上がり小法師がオススメ!
会津に観光に来られた方が買うのダントツでこちらですし、特に年配の方は定番を好まれる方が多いので、迷ったらこちらを選ばれると良いですよ!
番外編:起き上がり小法師オススメ!
起き上がり小法師は縁起物ですから、やはり処分などが気になる、という方にはこちらはいかがでしょうか??
起き上がり小法師をモチーフにした和菓子
会津の老舗和菓子屋さんが作っている起き上がり小法師をモチーフにした和菓子を二つご紹介します。
どちらもやさしい甘さと見た目の可愛さ、一口サイズというのもうれしいですよね。
その1 起き上がり最中【本家長門屋】
本家長門屋さんの「起き上がり最中」。
※画像は長門屋さんオンラインショップよりお借りしました。
自分で餡を詰めていただく、という食べる前にちょっとお楽しみのある和菓子です。
しかも、中に詰めるのは”福桃あん”、”和三盆糖あん”の味も色も異なる2種類の餡!
桃の産地として有名な地元ふくしま産の桃果肉を使った贅沢でフレッシュな餡と、国産の最高級「和三盆糖」を使った餡を最中に詰めて出来立てをいただけば、目にも舌にも美味しい楽しいティータイムになること間違いなしです。
長門屋さんの和三盆糖を使ったお菓子は、まろやかな甘さで緑茶だけでなくコーヒーにも良く合うので、コーヒーのお供にもオススメです♪
長門屋さんの大人気商品、羊羹ファンタジアとの詰め合わせもオススメ!
起き上がり最中&羊羹ファンタジア【本家長門屋オンラインショップ】を見てみる
その2 小法師【会津葵】
(写真手前は本物の起き上がり小法師、後ろの二つが和菓子の”小法師”です)
この本物の起き上がり小法師そっくりの和菓子は、右の黒っぽい方は小豆餡、左のやや黄味がかった方が白小豆黄身餡です。
それぞれ石衣で包んで雪の情緒を表現しているとのこと。
そしてなんと嬉しいことに、本物の起き上がり小法師が1つオマケで入っているのです♪
実物を眺めながら、そっくりの和菓子をいただけば、お土産話に花が咲くこと間違いなしです!!
こちらの写真は今年(2018年)の十日市の日で撮影した会津葵さんの実店舗です。
このたたずまいのイメージにぴったりの会津らしい和菓子が並んでいましたよ♪
起き上がり小法師箸置き【樹ノ音工房】
会津本郷焼の窯元で地元でも人気の樹ノ音工房さんの、起き上がり小法師をモチーフにした箸置きです。
我が家にもありますが、普段は飾り物にして、お客様がいらした時や、特別な時だけ箸置きとして使っています。棚に並べて置いておくだけでとても可愛らしいですし、箸置きとして使えば、きっと笑顔の食卓になること間違いなしです。
こちらは6個セットですが、やはり起き上がり小法師の形をしているということで、日ごろは願掛けの意味も込めて家族の人数+一つ置くのもよし、6個全部並べるもよし。
表情が一つ一つ違っているので、何個あっても楽しいですよ♪
おわりに
会津の伝統工芸品、起き上がり小法師についてまとめてみました。
山に囲まれた会津盆地は雪が多いことで知られ、会津の人からは雪国育ち特有の忍耐強さを感じます。
歴史的にも過酷な時代を経験してきた会津の象徴とも言えるのが、起き上がり小法師です。
会津人の七転び八起きの精神にあやかるべく、起き上がり小法師をお土産にして頂けたらと思います♪
こちらでご紹介したのはいずれも通販で買うことが出来るものですが、オリジナルの起き上がり小法師は、紹介しきれないほど本当に沢山の職人さん、作家さんの手によって作られています。
会津に来たら、ぜひお店をあちこち覗いて、起き上がり小法師を探してみてください。歴史深き会津の地で、小さきものに思いを馳せる。。。旅の楽しみがさらに広がると思いませんか?^^♪
会津まつり藩公行列で人気の奴隊(やっこたい)をモチーフにした起き上がり小法師については、こちらの記事で詳しく書いていますので、ぜひあわせてお読みください♪
【ファン必見】会津まつり藩公行列で人気の「奴隊」が起き上がり小法師に!購入するには?!